総務省4年縛り禁止へ携帯料金改革で法改正。
携帯電話料金引き下げに向けて、電気通信事業法を改正し、端末代金と通信料金の完全分離や「4年縛り」禁止を制度化すべき、という総務省の有識者会議による緊急提言が11月26日に公開される、と報じられています。総務省はこれを受けて法改正に乗り出すとみられます
総務省、来年の通常国会に法改正案を提出か
産経新聞や読売新聞の報道によると、有識者会議の緊急提言には、電気通信事業法の改正によって「端末代金と通信料金の完全分離」を義務付け、4年間の分割払い契約を結ぶことで端末代金を割引する「4年縛り」を実質的に禁止することを目指した内容となるとのことです。
総務省は緊急提言を受けて、早ければ来年の通常国会に電気通信事業法の改正案を提出する、と伝えられています。
端末代金を通信料金から割り引くプランが中心
この数年間、大手キャリアの料金は、端末を24回分割払いで購入すると、通信料金が24カ月間割り引かれるといった、いわゆる「2年縛り」プランが中心となってきました。
端末代金と通信料金が一体化したこの販売方式は、2年に1度などのペースで端末を買い替える人にはメリットがある一方、利用者から広く集めた通信料金が割引に使われていて不公平だとの声や、通信料金の高止まりの原因になっているとの指摘もありました。
中心にはなっていない「分離プラン」
NTTドコモは料金の安い分離プラン「docomo with」を導入していますが、高額な最新の最上位モデルではなくミッドレンジモデルが中心で、販売の主流とはいえません。
これは、端末代金と通信料金を完全に分離すると、最新のiPhoneなど高価格なスマートフォンを販売しにくくなるというデメリットがあるためと考えられます。
NTTドコモは先日の決算発表において、今後は「docomo with」を拡充し料金を引き下げる方針を示しています。
「4年縛り」は法律で禁止に
いわゆる「4年縛り」は、48回分割払い契約で端末を購入すると、2年後に機種交換する際、半額の残債が免除される販売手法で、ソフトバンクとKDDIが導入しています。
2年後に機種交換すれば実質負担額が半額となるメリットがある一方で、顧客を長期間にわたって囲い込むことになる、と公正取引委員会が問題を指摘していました。
有識者会議の緊急提言は、法改正によって「4年縛り」を事実上できなくする、かなり踏み込んだものになる模様です。
両社は当初、2年後の機種交換時に、同じプログラムへの再加入を残債免除の条件としていましたが、公正取引委員会からの指摘を受け、ソフトバンクとKDDIはそれぞれ、「再加入」の条件を撤廃すると発表しています。
菅官房長官の「4割下げ」発言で注目集めた携帯料金問題
携帯電話料金の引き下げについては、菅義偉官房長官が8月に「4割下げる余地がある」と発言して注目を集めました。
先日は、政府の規制改革推進会議が安倍首相への答申で、端末代金と通信料金の完全分離などを含む答申をしています。