AppleのCEOティム・クックのインタビュー記事 「発言個人情報を売るのではなく守るのがApple」
Apple CardからヘルスデータまでAppleのサービスは多岐に及び、ユーザーがその利便性を感じる一方で、個人情報の取り扱いは依然として最重要課題になっています。
Appleのティム・クック最高経営責任者(CEO)が米ABC Newsのインタビューに答え、Appleは個人情報を売らないという考えを改めて強調しました。また、Appleの姿勢は変わらないとしながらも判断するのはユーザーであり、Appleはそのツールを提供していくだけと話しました。
複数アプリがヘルスデータをFacebookと共有していたというニュースも記憶に新しいところですが、クックCEOはAppleが個人のデータを売って利益を得るという考えがないとし、他の企業とは違うことを改めて強調しました。
人気のスマホアプリ、健康データなど個人情報を勝手にFacebookに送信
iOSとAndroidの人気アプリが、身長や体重、血圧、心拍数、生理周期、妊娠週数といった個人データを、ユーザーの知らぬ間にFacebookと共有していたことが、The Wall Street Journalの調査で明らかになりました。
データ共有はそのユーザーがFacebookのアカウントを持っていなくても行われていて、たとえばユーザーがヘルスアプリに体重を入力すると、その瞬間にFacebookに送信される、といったことが日常的に行われている模様です。
信頼が地に落ちたFacebook
Facebookは昨年、最大8,700万人分もの個人情報をデータ分析コンサルティング会社Cambridge Analyticaに流出させたとして、大きな批判を浴びました。
その後同SNSの利用をやめる人が増えるなど、Facebookの信頼度は地に落ちたといってもいいでしょう。
ところがWSJの調査から、Facebookはスマホの多くのアプリが収集したデータを、ユーザーに許可なく入手していることがわかりました。
(引用画像)https://www.cnet.co.kr/view/?no=20181015095958
11の人気アプリがデータをFacebookと共有
WSJの調べでは、少なくとも11の人気アプリがデータをFacebookと共有していました。そのひとつが、iOSの心拍数測定アプリ「Instant Heart Rate: HR Monitor」(提供:Azumio)です。同アプリは心拍数を記録すると、そのデータを直ちにFacebookに送っています。
このほか、月経周期を記録するための「Flo Period & Ovulation Tracker」(提供:Flo Health)は月経
情報を、不動産情報アプリ「Realtor.com」(提供:Move)はユーザーがチェックした住宅の価格や場所の情報を、Facebookに送信していました。
上記のいずれのアプリも、Facebookとの情報共有を停止する方法をユーザーに提示していません。
Facebookは収集した情報を、「Facebookにおいて各ユーザーの好みにあった広告やコンテンツを表示したり、市場調査を実施したりするために使用する」としています。
プライバシー法に抵触する可能性
Facebookはユーザーが、他社のアプリやWebサイトなどが収集したデータをターゲット広告表示に活用するのを拒否できる設定をもうけていますが、実際には有名無実で、データ収集を止める方法も、それを別の会社と共有するのをやめさせる方法もないとセキュリティの専門家は述べています。
しかし欧州連合は健康データなどの個人情報の取り扱いをより厳しく規制しており、アプリ開発者がユーザーの許可なくデータをFacebookと共有するのは、プライバシー法に抵触する可能性があるとの指摘もあります。
またAppleとGoogleが、App StoreとGoogle Playで配布しているアプリに対し、今後プライバシー管理を厳しくする可能性が高まっているとのことです。
(引用記事)https://iphone-mania.jp/news-240012/
Appleではユーザーの個人情報を吸い上げて利用するようなことはしない。個人情報はその人のデバイスの中にあるべきであって、Appleが所有するべきものではないからだ。Appleはプライバシーを基本的人権と考えている。もしこの世にプライバシーがなくなり、自分がどこかの会社に監視されていることが分かったら、その人は自分の行動を制限するだろう。インターネットを使うことも徐々に減ってしまうかもしれない。私は、自分自身はもちろん、子供達をそのような世界に住ませたくない。我々はプライバシーを守る存在でありたい。
ユーザーを守るツール、Sign in with Apple
(引用画像)https://www.gizmodo.jp/2019/04/apple-iphone-tvad-privacy.html
個人情報を守るとしているAppleですが、既にインターネット上にたくさんの脅威が存在している今の時代にそのようなことが本当に可能なのでしょうか?
クックCEOは、Appleがユーザーをサポートするためのツールの1つがSign in with Appleだと言います。
多くのユーザーが同じIDやパスワードを複数サイトで使いまわしており、これによってユーザーは多くの情報をそれらのサイトに渡すことになる。だがSign in with Appleを使用すれば、たった1つのツールで様々なサインインが可能になる上、Appleは個人情報を集めるようなことがないのでユーザーは安心して使える。
個人情報はお金よりも価値がある
個人情報はユーザーが所有するべきでAppleが所有するものではないとクックCEOは話しましたが、現状では企業が個人情報を所有しているケースがほとんどです。
企業は個人情報を提供しているユーザーに対してお金を払うべきか、などの論争もありますが、GoogleやFacebookなどの大企業はユーザーにお金を払うべきなのでしょうか?
クックCEOは、他社について深いコメントは避けたものの、個人情報はお金よりも価値があるものだと話します。
個人情報に対してお金を払うのが今後のビジネスモデルになっていくのかは分からないが、個人情報はお金よりも価値があるものだ。そして自分の個人情報は自分で修正したり、移動したり、削除したりと、自分でコントロールする権利があるべきだと思う。一番必要なのは、透明性、そしてユーザーを運転席に座らせること。ユーザーは賢いので我々はツールを提供していくだけだ。
プライバシーの問題については政府も介入して規制をしていく必要があるが、その規制によって企業が処罰されるだけでは根本の解決にならないとして、クックCEOは次のように話しました。
企業に罰金を課したり企業を分割したりといったことにどうしても焦点が当たってしまうが、ユーザーの意思に関係なく企業が保有しているデータについてもっとフォーカスすべきだ。企業が罰金を払っても企業分割しても、その会社が所有していたデータは残っているからだ。
Androidのスマートフォンから個人情報を勝手に送信するアプリが大量に見つかった事件がありましたが、9万人の端末から1000万人超の個人情報が流出したという記事を読んだことがあります、インストールすると、端末内のすべての名前や番号を外部サーバに送信する仕組みになっており、約9万人の端末から1000万人超の個人情報が流出したとみられています。アプリも何でもかんでもすぐインストールのは危険ですね、気をつけたいところです。