2019年第3四半期の世界スマホ出荷台数、2年ぶりに増加へ
飽和が指摘されるスマートフォン市場ですが、2019年第3四半期(7月〜9月)の出荷台数は世界で3億6,630万台となり、前年同期比で2%増加しました。四半期ベースで増加したのは2017年第3四半期以来となります。
2年ぶりの増加
2018年第3四半期に3億5,980万台だった世界スマートフォン市場の出荷台数は、2019年に3億6,630万台へと増加しました。停滞に喘いできたスマートフォン市場の成長に一役買ったのは、価格競争のほかにディスプレイの大型化や5G通信といった新技術の投入だと、Strategy Analyticsのアナリストであるリンダ・スイ氏は見ています。
多くのアナリストの予想に反し、前年度モデルから据え置きと考えられていたiPhoneの価格は、iPhone11/11 Pro/Pro Maxで値下がりしました。また、HuaweiやSamsungはすでに5Gスマートフォンをリリースしています。
Huaweiの大幅な伸び目立つ
とはいえ、スマートフォン市場が大きく活気づいたと判断するのは早計かも知れません。
企業ごとの出荷台数増減は、1位がSamsungで+8%、2位がHuaweiで+29%、3位がAppleで-2%となりました。比較グラフを見ると、SamsungとHuawei以外は軒並みシェアを落としており、ほぼHuaweiの大幅成長によって支えられたと言っても過言ではありません。Strategy Analyticsのニール・モーストン氏によれば、Huaweiは中国での売れ行きが顕著で、それ以外の地域(北米や西欧)を相殺して有り余るほどだったそうです。
一方、世界全体では前年同期比で微減となったAppleですが、地域別に見ると、安価なiPhone11の好調ぶりやアジア・米国での堅実な需要が目立ちました。
5G対応スマホで流れ上向くか
2019年は“何とか持ちこたえている”といった印象を受けるスマートフォン市場ですが、2020年は5G対応スマートフォンが本格的に登場することで、年間出荷台数が前年比で増加すると複数の調査企業が予測しています。
正確な予測で知られる著名アナリストのミンチー・クオ氏も、2020年の新iPhoneはどのモデルも5Gに対応するとのレポートを公開しています。