2019年5月に1キログラムの基準が変わる
1875年のメートル条約から国際的に基準となる単位は7つあり
- 長さ:メートル(m)
- 質量:キログラム(kg)
- 時間:秒(s)
- 電流:アンペア(A)
- 温度:ケルビン(K)
- 光度:カンデラ(cd)
- 物質量:モル(mol)
原則としてこの7つの単位を使えばあらゆる物質を数値として表現可能です
震災や空襲を乗り越えてきた日本国原器
メートル原器やキログラム原器の複製が
上野国立科学博物館の常設展に展示されていますが
見に行った事があるでしょうか?
メートル原器については1メートルの基準が
「北極から赤道までの子午線の長さの1000万分の1」から
「299,792,458分の1秒(約3億分の1秒)に光が真空中を伝わる距離」
と1960年に改定されその役目を終えましたが
原器の中で今現在も唯一現役で基準とされているキログラム原器もついに引退する事となりました
当初1リットル(10センチメートル立方)の水の重さを1キログラムとし
1889年には当時の最先端技術で10万年は質量の基準として機能するよう
白金イリジウム合金製の国際キログラム原器が製作され
その複製が各国に配布されました
日本国に配布された複製は日本国キログラム原器と呼ばれています
そして今日まで130年間ずっとその定義は変わりませんでした
ところがこの国際キログラム原器と複製を比較すると
ごくわずかですが重さに差が出てしまっている事が分かりました
国際キログラム原器が軽くなっているのか
複製が重くなっているのか
原因は一切不明で
国際キログラム原器が現役を引退した後に
詳しく調査される事になると思われます
そこで新たな基準として2019年5月より
「キログラムはプランク定数の値を正確に6.62607015×10-34ジュール・秒と定めることによって設定される」
と改定される事になりました…正直よく分かりません
ただし「日本国キログラム原器は完全に引退するのではなく、非常に優秀な分銅として新たな役割を果たす予定だ」としています