Apple「個人情報はお金よりも価値がある」
スマホ修理ジャパン秋葉原店スタッフTです。
ここ数日、マイナンバーに関するニュースをいくつか見かけますね。年末調整の書類を用意していて久しぶりにマイナンバーの存在を思い出したのですが、私はまだペラペラの通知カードのままなので、マイナンバーカードを取得しておいたほうが便利なのかなあとちょうど考えているところでした。
まさかキャッシュレス決済・ポイント還元事業の話にマイナンバーカードを絡めてくるとは考えていませんでした!!マイナンバーカードは今のところ無料で申請できるので、おいしい話ですよね♪♪
でも何故か、グッドタイミングすぎて躊躇してしまう自分がいます。その不安はいったいどこから来るのでしょう?
個人情報取り扱いの難しさ
個人情報については、昔よりは絶対的に重要視されるようになり保管や取り扱いについての議論も進んでいます。それでもなお、役所が管理しているはずの個人情報が他人に漏れていたり、逆に役所間での引継ぎがされていなかったりということがまだまだあって、さらにそれが事件にまで発展してしまっているのが日本の現状です。
80年以上前から社会保障番号が使われているアメリカでも、個人情報の取り扱いに関する問題は後を絶たないようですし、今後ますます慎重に議論を続けて改善されていくことを切に願います。
身近な所では、今年に入ってからもニュースがありました。複数のスマホアプリ内で収集したユーザーの情報を、Facebookがユーザーに無断で入手していたことが発覚。Facebookは、各ユーザーに合った広告表示や市場調査のため、と説明しています。この広告表示はユーザー側で拒否する設定がありますが、アプリからFacebookへの情報共有を停止する方法は提示されていないようです。つまりは人気の健康管理アプリや不動産情報アプリなどからのデータを、Facebook側で蓄積されていることは変えられない、ということのようです。入手した情報を使う使わない以前に、自分の個人情報が”知らないうちに”他人に渡っていたというだけでも、気持ち悪く感じてしまうのは私だけではないはずです。
AppleのクックCEOが語る「個人情報」
そんな中、共感を持てる話題を見つけました!予算編成や経済対策の議論を担っている方々にも是非読んでいただきたい内容なので、ご紹介させていただきます。
Appleのティム・クック最高経営責任者(CEO)が米ABC Newsのインタビューに答え、Appleは個人情報を売らないという考えを改めて強調しました。iPhoneなどの端末にとどまらずApple CardからヘルスデータまでAppleのサービスは多岐に及び、ユーザーがその利便性を感じる一方で、個人情報の取り扱いは依然として最重要課題になっています。
このインタビューの中で、クックCEOはAppleが個人のデータを売って利益を得るという考えがないことを改めて強調しました。
Appleではユーザーの個人情報を吸い上げて利用するようなことはしない。個人情報はその人のデバイスの中にあるべきであって、Appleが所有するべきものではないからだ。Appleはプライバシーを基本的人権と考えている。もしこの世にプライバシーがなくなり、自分がどこかの会社に監視されていることが分かったら、その人は自分の行動を制限するだろう。インターネットを使うことも徐々に減ってしまうかもしれない。私は、自分自身はもちろん、子供達をそのような世界に住ませたくない。我々はプライバシーを守る存在でありたい。
それでも現状の世の中では、企業が個人情報を所有しているケースがほとんどで、提供しているユーザーに対してお金を払うべきか、などの論争まで出ています。
クックCEOは、他社について深いコメントは避けたものの、個人情報はお金よりも価値があるものだと話します。
個人情報に対してお金を払うのが今後のビジネスモデルになっていくのかは分からないが、個人情報はお金よりも価値があるものだ。そして自分の個人情報は自分で修正したり、移動したり、削除したりと、自分でコントロールする権利があるべきだと思う。一番必要なのは、透明性、そしてユーザーを運転席に座らせること。ユーザーは賢いので我々はツールを提供していくだけだ。
引用記事:iPhonemania
Appleは、サインインの手間を省き、さらにその際に送信されるデータが最小限で済むよう工夫した「Sign in with Apple」を導入するなど、GoogleやFacebookなどがサインインボタンをユーザープロファイリングに使っている中、一線を画す取り組みを続けています。
もちろん個人情報の管理については、企業だけでなく国の政策としても今後も積極的に取り組んでもらいたい課題ではあります。ですが情報を大切に扱うという姿勢が見られないままでは、何を議論されてもどんなに素晴らしいシステムを用意されても、安心して任せられるものではありませんよね。
この考え方が全てとは思いませんが、1つの形をAppleが示してくれたことは確かです。